世界140以上の国や地域で実践されている「モンテッソーリ教育」をご存じでしょうか。史上最年少となったプロ棋士や大手企業の経営者などが取り入れていたとして、日本でも注目を浴びている教育法です。今回は、モンテッソーリ教育が気になる方に向けて、基本的な考え方や年齢ごとの教育分野を解説します。家庭での実践法とメリット・デメリットも紹介するので、ぜひ今後のお子さまの教育に役立ててください。
モンテッソーリ教育とは、イタリアの医師・教育家であるマリア・モンテッソーリ博士が、約120年前に考案した教育法です。「子どもは本来、自らが自立・発達していこうとする『自己教育力』を備えている」という前提のもと、その力を発揮させるために「発達に見合った環境を用意しながら、自発的な成長を促していくこと」を基本としています。
この教育法での大人の役割は、一方的に教えることではなく、自立につながるような環境を用意しながら「見守る」ことです。たとえば赤ちゃんは誰に教わらなくても自ら腕を伸ばしてものをつかみ、歩いたり話し始めたりします。このように、子どもが自ら発達をとげる力を「自己教育力」と呼び、重視しています。
日本モンテッソーリ教育綜合研究所によると、モンテッソーリ教育の目的は下記のように説明されています。
モンテッソーリ教育の目的は、「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てる」ことです。その目的を達成するために、モンテッソーリは子どもを科学的に観察し、そこからえた事実に基づいて独特の体系を持つ教具を開発するなどして教育法を確立していきました。
出典:日本モンテッソーリ教育綜合研究所『モンテッソーリ教育とは』
この結果、実践者たちのなかから世界をリードする人材が多く育ってきています。
モンテッソーリ教育では、人間の成長には次の4つの段階があるとされています。
(1)幼児期(変容期):0~6歳
(2)児童期(一定安定期):6~12歳
(3)思春期(変容期):12~18歳
(4)成熟期(安定期):18~24歳
0~6歳の幼児期は、言語や秩序、運動などの特定の事柄に対して強い感受性をもつ「敏感期」が現れるとされており、モンテッソーリ教育ではとくに重視しています。この時期に適切な環境や教具を子どもに与えることで、発達課題をクリアしたり、ものごとを吸収したりすると考えられています。
また、この時期には子どもの「これがしたい」という気持ちを尊重するのが基本です。たとえば知育玩具で遊ぶ場合、すべての玩具を子どもの手の届く場所に置き、自由に選び、好きなだけ遊べるような環境を用意します。大人はついつい「これもおもしろいよ」などと口を出したくなりますが、ぐっとこらえましょう。
モンテッソーリ教育では、0~3歳までを「吸収する精神(無意識)の時期」と呼びます。この時期に子どもが自己教育力を発揮するための環境として、、全身を使う「粗大運動の活動」、手や指を使う「微細運動の活動」、そのほか「日常生活の練習」「言語教育」「感覚教育」「音楽」「美術」という7つが用意されます。
また、3~6歳を「意識の芽生えの時期」と呼びます。この時期には、「日常生活の練習」「感覚教育」「言語教育」「数教育」「文化教育」という5つの教育環境が用意されるのです。
幼稚園や保育園のクラス編成を年齢別にするのではなく、異なる年齢の子どもたちが混在する縦割り保育を行っているのも、モンテッソーリ教育の特徴でしょう。
社会学者のピーター・ドラッカー氏やMicrosoft 創設者のビル・ゲイツ氏、Amazon の共同創設者であるジェフ・ベゾス氏、Google の共同創設者セルゲイ・ブリン氏とラリー・ペイジ氏、最年少でプロの将棋棋士となった藤井聡太氏などがモンテッソーリ教育を受けていたとして注目されました。個人の自主性を伸ばすことを目的とする教育方法は今後も注目されるでしょう。
次に、モンテッソーリ教育のメリットとデメリットを見ていきましょう。
●メリット
・自立を促す
モンテッソーリ教育では、自主性や主体性を尊重し教育の場を整えるため、幼いうちから自立できる点が大きなメリットです。
教具を使った活動のことをモンテッソーリ教育では「お仕事(おしごと)」と呼び、子ども自身にその作業を選ばせます。作業が進まなくても、大人を頼ることはほぼありません。「お仕事」の開始も終了も自分で決めます。
こうした教育環境を作り、続けさせることで、自立を促すのです。
・積極性が身につく
子どもの興味関心を尊重し自ら選ばせることで、一人ひとりの個性を伸ばし、積極性を養えます。たとえば、文具などケガの危険がある教具でも、大人は禁止しません。正しく安全に使えるよう、サポートだけをします。
・集中力が鍛えられる
集中力を鍛える効果も期待できると言われています。
前述の「お仕事」では、大人に指示されるのではなく、子ども自身が成長に必要なものを選んで取り組みます。大人が作業を止めることは基本的にはないため、作業に熱中できます。こうして「お仕事」に熱中するなかで、子どもは集中力を高めていきます。
・情緒が安定する
モンテッソーリ教育では、子どもの意思や興味関心を大切にします。好きなことに夢中になれる環境を整えることが、結果的に情緒の安定につながると考えられます。子どもの個性を重視し、他人と比較しない教育方針であることもポイントと言えます。
●デメリット
自主性を重視する傾向にあるモンテッソーリ教育では、集団行動を通して子どもの協調性などを育む機会が少ないとされています。そのため、他人と足並みをそろえたり、集団行動をしたりすることが苦手になるケースもあるでしょう。
また、屋内での活動が多いため、外遊びが好きな子どもはもの足りなさを感じるかもしれません。
モンテッソーリ教育を導入するには、2つの選択肢があります。一つはモンテッソーリ教育を実践している教育施設を利用する、もう一つは家庭で取り入れる方法です。
●近くの施設に通う
「モンテッソーリ保育園」や「モンテッソーリ幼稚園」など、モンテッソーリ教育を実践している近隣の施設に通う方法があります。
こうした施設では、敏感期の教育分野に合わせた教具で遊ばせる時間や、黙々と一つの事柄に集中する時間を設け、子どもの自己教育力を育んでいます。
特徴的なのは、年齢の異なる子どもを一つのクラスで保育する「縦割り」制度でしょう。年少の子どもは年上の行動を見て学び、年長の子どもは年下のお世話を通して責任感や思いやりの心を育みます。
ただし、モンテッソーリ教育を実践している教育機関はいわゆるオルタナティブスクールと呼ばれる認可外学校であることが一般的なため、義務教育を修了したことにはならず、公立校への進学が難しいのが現状です。卒業生の多くはインターナショナルスクールや私立校に進学していることを知ったうえで判断しましょう。
●家庭でモンテッソーリ教育を取り入れる
「モンテッソーリ教具」を使えば、家庭でもモンテッソーリ教育を実践できます。その際は、大人が勧めるのではなく、子どものやりたいことを優先してあげましょう。遊びたい教具を自由に選び、片付けまでを主体的に行わせることも有効です。
一方で、必ずしも教具が必要なわけではありません。シールを貼る動作やティッシュを引き出す動作、家の中にあるスイッチを押す動作なども、モンテッソーリ教育の実践にあたります。日常生活の中にある道具や環境を利用することで、子どもが自発的に学ぶ力を引き出せます。
施設や教具を選ぶにあたっては、注意点が1つあります。モンテッソーリ教育には認定制度が存在しません。教育法を実践する施設や教具について詳しく調べるには、「日本モンテッソーリ協会(学会)」「日本モンテッソーリ教育綜合研究所」などのサイトを参考にし、慎重にリサーチをして判断する必要があります。
▼参考資料はこちら
これまでYohanaメンバーから依頼されたTo-doにはさまざまなバリエーションがあります。Yohanaがどのようにあなたをサポートできるか、実際にモンテッソーリ教育についてYohanaのスペシャリストがご提案できる内容をご紹介します。たとえば、ご自宅から通える範囲のモンテッソーリ教育の実践施設をまとめています。
・モンテッソーリ教育を学ぶ本のリサーチ
初心者向けの本や漫画から専門書まで、教育法をわかりやすく知れる本をお探しし、概要や特徴をまとめます。ECサイトからの購入のお手伝いもいたします。
・モンテッソーリ教育におすすめの知育玩具のご提案
プレゼントにもぴったりな知育玩具をお探しし、年齢や予算に応じてご提案いたします。実際に確かめたい場合にはお近くの販売店をお調べするほか、レンタル情報のおまとめも可能です。
・自治体へモンテッソーリ教育施設の問い合わせ
具体的にモンテッソーリ教育を取り入れた施設へ通うことを検討されるのであれば、お住まいの自治体、あるいは引っ越しをご予定されている地域の役所に、モンテッソーリ教育をカリキュラムに組み込んだ園や幼児教室がないかを問い合わせいたします。対象年齢や保育時間、延長保育の有無なども合わせてご確認いただけるように進めます。
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*Yohana調べ:首都圏の30-40代の子育て中の共働き世帯の男女600名を対象にした調査結果より(2023年1月実施)
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