自己教育を大切にするモンテッソーリ教育や、個性を尊重するシュタイナー教育など、幼児期の教育にはさまざまな理念や方針があります。そのため、お子さまにどんな教育がふさわしいか考える保護者も多いのではないでしょうか。 イタリア発祥のレッジョ・エミリア教育にも、独自の考え方やメソッドがあります。この記事では、レッジョ・エミリア教育の特徴、メリット・デメリット、東京都内のレッジョ・エミリア保育園についてご紹介します。ぜひ保育園探しの参考にしてみてください。
レッジョ・エミリア教育(レッジョ・エミリア・アプローチ)は、イタリアのレッジョ・エミリアという都市で生まれた幼児教育の手法です。第二次世界大戦後、「子どもの可能性を最大限に引き出す教育が必要」と考えた教育者、ローリス・マラグッツィを中心に発展しました。子どもを一人の独立した主体として尊重し、好奇心や探究心を大切にしながら学びを深めていくことを重視する教育法です。
●一般的な日本の教育との違い
レッジョ・エミリア教育は一般的な教育と異なり、大人が指示を出すのではなく、子どもの主体的な行動を重視します。ゴールや時間は決められておらず、子ども自身の興味から生まれた学びのテーマを、対話や創作活動を通じて深めていきます。
また、個別学習が中心である一般的な教育と比べて協働的な学びを大切にしており、グループでのプロジェクトを通じて意見を交換しながら成長していく点が特徴的です。
一般的な教育と異なる点が多数見受けられる一方で、自主性や社会性の養成を目的としている点は共通しています。
●モンテッソーリ教育との違い
レッジョ・エミリア教育とよく比較されるのがモンテッソーリ教育です。どちらも子どもの自主性を尊重する教育法ですが、次のような違いがあります。
・モンテッソーリ教育
個別学習が基本であり、子どもが自分で選んだ教材を使って静かに学ぶことが多い。環境が整えられており、教師(指導者)が子ども一人ひとりに適した課題を提供する。
・レッジョ・エミリア教育
グループでのプロジェクト活動が中心で、対話や共同作業を通じて学びを深める。子どもたち自身が学びの方向性を決め、教師はそのサポート役となる。
レッジョ・エミリア教育は、子どもが主体的に学びを深めることを目指した教育アプローチです。自由な発想と協働の精神を育むこの教育法は、世界中で高い評価を受けています。具体的にはアメリカ版『ニューズウィーク』誌に「最も先進的な乳幼児教育」として取り上げられ、ディズニー社やGoogle社などの付属幼稚園でも採用されています。
日本とレッジョ・エミリアをつなぐ機関であるJIREA(日本レッジョ・エミリア協会)によると、この教育法の根幹は「共同性」と「創造性」にあるといいます。ここでは、それぞれの特徴について詳しく説明します。
●共同性
レッジョ・エミリア教育では、子どもだけでなく、教師、家族、地域社会が一体となって教育に関わるシステムをとっています。子どもは自分の意思やアイデアを自由に表現しながら、主体的に学びを深めていきます。
・コミュニティとの連携
教育は家庭だけでなく、学校や地域全体で支えるものと考えられています。そのため、保護者や地域住民も教育の場に積極的に関わります。
・「ペタゴジスタ」の存在
レッジョ・エミリア教育では、教育ビジョンを共有し、学びをサポートする専門家「ペタゴジスタ」が配置されます。ペタゴジスタは、教育の専門知識を持ち、子どもたちの学びの環境を整える役割を担います。
●創造性
レッジョ・エミリア教育では、子どもの創造力を最大限に伸ばすために、「プロジェクタツィオーネ」と呼ばれるプロジェクト活動が重要な役割を果たします。
・長期的な学びのプロジェクト
4〜5人の小さなグループで、1つのテーマに長期間取り組みます。テーマは子どもたちの好奇心に基づいて決められ、意見を出し合いながら調査や制作を行うのが特徴です。
・過程を大切にする「ドキュメンテーション」
子どもの学習過程の記録も重視されています。写真や動画、スケッチ、メモなどを活用し、子どもたちが自分の学びを振り返ることで新たな気づきを得られます。
・アートを重視した学び
特にアートの分野に注力しているのも特徴です。絵画や工作などの表現活動を通じて、創造力や問題解決力を育みます。また、身近な素材を使って創作することで、子どもたちは環境に対する新しい視点を持てます。
・カリキュラムや時間割がない
一般的な学校教育とは異なり、決められたカリキュラムや時間割がなく、子どもたちは自分のペースで学びを進めます。そのため、個々の興味関心に応じて深く学ぶことが可能です。
・「アトリエリスタ」の存在
プロジェクト活動をサポートするために配置されているのは、アートの専門家「アトリエリスタ」です。アートを通じた学びをより豊かにする役割を担い、子どもたちの表現を引き出すサポートを行います。
ここからは、レッジョ・エミリア教育が子どもにもたらすメリットについてご紹介します。
●好奇心・自主性が育つ
子どもは自分の意見やアイデアが尊重される環境で、興味のあるテーマを追求します。プロジェクト活動を通じて「なぜ?」「どうして?」という疑問を深掘りし、学びへの意欲を高められるのです。
●表現力を養える
レッジョ・エミリア教育では、大人が答えを与えるのではなく、子ども自身が考え、答えを見つけることを大切にします。その過程で、自分の考えを言葉やアートで表現する力が身につき、創造的な思考力も養われます。
●社会性を育む
教師や家族、地域社会と関わりながら、他の子どもたちと共同でプロジェクトに取り組むことで、協調性や協働力が身につきます。話し合いや意見交換を通じて、説明力やコミュニケーション能力が向上するのも特徴的なメリットの一つです。
このように、子どもの自主性、創造性、社会性をバランスよく育む点がレッジョ・エミリア教育の大きな魅力です。
レッジョ・エミリア教育の考え方は、家庭でも取り入れられます。ここでは、自宅で実践するためのポイントを紹介します。
●子どものやりたいことを一緒に探し、挑戦させる
子どもが興味を持つことを親子で探し、一緒に取り組んでみましょう。ただし、子どもが壁にぶつかったときには、すぐに答えを与えず、考える時間を大切にすることがポイントです。子どもの自主性を尊重し、否定しないように注意しましょう。
例1:工作
家にある素材を使った創作活動を行い、創造力を伸ばします。完成形を決めず、子どもが自由に発想を広げられるようにしましょう。
例2:親子での会話
「なぜ?」「どう思う?」と問いかけながら話し合うテーマを決めて、子どもの考える力を育みます。子どものアイデアを「いいね!」と肯定し、会話を深めることが大切です。
●ドキュメンテーション(視覚的な記録)を行う
レッジョ・エミリア教育では、子どもの学びの過程を記録する「ドキュメンテーション」が重視されます。親子でもプロジェクト活動を実践し、その過程を記録してみましょう。
・プロジェクト活動の様子を写真や動画、スケッチなどで記録し、振り返りを行う。
・子どもが自分の取り組みを見返すことで、次の課題を見つけやすくなる。
・親は記録を通じて、子どもがどんなことに興味を持っているのかを把握し、次の学びの環境を整える。
・創作品がある場合は、完成した作品を飾るだけでなく、制作の過程も記録する。
このような実践を通じて、子どもは自ら考え、学びを深める力を養えます。家庭でもできる範囲で取り入れて、子どもの創造性を伸ばしていきましょう。また、プロジェクト活動に取り組む子どもの様子を観察し、子どもが興味を持った事柄に気づいて次の環境を用意できるとなおよいでしょう。
自宅での実践が難しい場合は、教育機関を活用するのがおすすめです。続いては、レッジョ・エミリア教育が受けられる都内の保育園を紹介します。
●まちの保育園・こども園
まちの保育園・こども園は、「こども主体」の学びを大切にしている施設です。子ども一人ひとりの興味や関心に寄り添いながら、主体的に学べる環境を整えています。また、地域とのつながりを重視し、子ども、保育者、保護者、地域が一体となることで、豊かな学びの場を創出しています。
さらに、子どもの成長や学びを可視化する「ドキュメンテーション」を活用して、学びの振り返りを行っています。レッジョ・エミリア教育の根幹である「共同性」と「創造性」という特徴を引き継いだ保育が実践されているのです。
●MIRAI English Garden
MIRAI English Gardenは、レッジョ・エミリア教育の考え方を取り入れ、英語教育と融合させた独自のカリキュラムを展開し、探求型の学びを提供している施設です。レッジョ・エミリア教育を象徴する概念である「子どもたちの100の言葉」に基づき、アートや対話を通じて自分の考えを表現し、創造的な活動に取り組みます。
英語はコミュニケーションツールとして活用され、遊びやプロジェクト活動を通じて自然に身につけられるよう工夫されています。さらに、子どもたちの好奇心を尊重し、自ら問いを立て、探求できる環境を整備しています。
●はなさかす保育園
はなさかす保育園では、「こどもの主体性」と「共同性」を大切にし、子ども自身が興味を持ったテーマを長期的に探求する教育を実践しています。レッジョ・エミリア教育の理念を参考にしながら、アートを中心とした表現活動を重視し、創造性を育むために「アトリエリスタ(芸術専門家)」を配置しています。
子どもたちは絵画や造形、音楽など多様な方法で自己表現を行い、感性や発想力を豊かに育みます。また、子ども同士の対話や協働作業を大切にし、学びの過程を記録する「ドキュメンテーション」を取り入れて成長を振り返り、新たな学びへとつなげています。保育者と子どもが共に学び合い、温かい共同体の中で子どもたちがのびのびと成長できる環境が整っています。
Yohanaでは、Yohanaメンバーのお困りごとを解決するために、さまざまなリサーチや手配をサポートします。たとえば、次のようなサポートが受けられます。
・レッジョ・エミリア教育を学ぶ本のリサーチ
レッジョ・エミリア教育を実践するための本や参考資料をリサーチし、お子さまの年齢や目的に応じたおすすめの書籍をピックアップします。育児書から専門書まで、最適な本を見つけるお手伝いをします。
・レッジョ・エミリアの環境づくりに役立つアイテム
ご家庭でレッジョ・エミリア教育の考え方を取り入れられるよう、学びや創造力を育む家具やおもちゃ、アート用品などをリサーチし、ネットショップのかご入れなどをサポート。お子さまの自主性を引き出す環境づくりをお手伝いします。
・近所で通える、レッジョ・エミリア教育の学校探し
ご自宅の近くでレッジョ・エミリア教育を実践している保育園や幼稚園、小学校をリサーチ。入園・入学条件やカリキュラムの特徴などを調べ、ご家庭に合った教育機関を見つけるサポートをします。
レッジョエミリア教育を受けられる環境をお子さまに用意したいという方はぜひ、Yohanaをご活用ください。
[参考]
厚生労働省『諸外国における保育の質の捉え方・示し方に関する研究会 (保育の質に関する基本的な考え方や具体的な捉え方・示し方に関する調査研究事業) 報告書』
https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000533050.pdf
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